蒼雪ブレンド -4ページ目

裕福VS貧乏 第一戦

隣のクラスには、菅原君という不幸な境遇の男の子がいるらしい。

お父さんが交通事故で亡くなって、それからほどなくしてお母さんが重病で倒れたんだそうだ。

彼は長男で、下には五つと八つも離れた妹さんがいるそうで。

そんな話を耳にした私は、可愛そうだなーと同情してはいたけど、その時はあくまで他人事でしかなかった。

ところが、そんな噂でしか知らない彼に廊下で呼び止められ、妙な相談を受ける事になったのである。

「君のクラスに黒鳥って大金持ちの娘がいるだろ?」

「いますけど」

「そいつと付き合うためには、どうすれば良い?」

「……はあ?」

突然何を言い出すのか、この人は。

不幸な境遇で、それでいて顔が良いため、陰のある感じが良いと一部の女の子から人気らしいけど、それで調子に乗って麗子ちゃん攻略に乗り出したんだろうか。

「私に聞かれても困るんだけど。好きなら、自分で告白しなよ」

どうも本気とも思えず、私は冷たい答えを返した。

ところが、彼は私の想像している所とは違う部分で本気だったのである。

「いや、好きじゃないけど、付き合いたいんだ」

「……何言ってるの?」

その言葉に、彼に抱いていた同情心も吹き飛んでいた。

「そいつと付き合えば、大金を貢いでもらえるんだろ?」

「あのねえ……!」

最低な奴。お金目的である事を、隠そうともしていない。

ところがそんな彼にも彼なりの事情があったらしく、切羽詰まった様子が表情に表れていた。

「母さんの手術代がどうしても必要なんだ。しかもそれがけっこうな大金で、中学生の俺がどうこうできる額じゃない。親戚は協力してくれないし、方法は何も思いつかなかったから。こうなれば、手段は選んでいられない」

「それは大変かもしれないけど、でも……」

他にもっとマシな方法があるでしょうに。お金のためだけに、麗子ちゃんを口説こうとするだなんて。その発想が、私はあまり面白くない。

「黒鳥のメイドである君なら、何か知ってるんだろ?」

「メイドじゃない!」

結局それが、私をややこしい話に巻き込まさせているのか……。

やっちゃったー!

うあーん!と泣きたい気分の蒼雪です。

以前コメントに変な方面からの物があったので、承認制にしてたんですよね。

それでコメントがあったら、きっと管理画面のトップで知らせてくれるものだとばかり思い込んでました。

で、いつもコメントなしの表示だったので、そうなんだーと思ってたら……。

来てるじゃん! 気づいてないじゃん、私! というか、お知らせないの!?

コメント管理画面に承認確認欄があるのに、今日初めて気づきました(遅っ

ああああ。お返事が遅れてすみません。

特に、にぃさん。何度もコメント下さってるのに、返事を書かず……。ごめんなさいm(_ _ )m

ミスが多いです。ダメ管理人ですね、私……。自己嫌悪です。

これからは気をつけないと……。

直してます

最近またアクセスが伸びてきたようなので、気になってランキングを覗いてみました。

ジャンクジャンヌ……あれ?

見て思いました。『やばい』

嬉しいのは嬉しいんですけど、それ以上に見っともない事はできないなーと。

気軽な更新は変えるつもりはありませんが、せめて見てくれは何とかしなくちゃと焦燥感が。

ということで、実は前からこそこそとやっていた改訂作業を進めております。

ある程度直して、置き換えてるんです。ですから改訂時期によって、文章の癖の違いが……(ぇ


ジャンヌは現在進行中の影響を受け、性格や言葉遣いも若干変わっております。ますます機械らしくなってない気はしますが、彼女らしくはなってますので。

あと、視点がグチャグチャだったのはなるべく直すようにしました。多分、まだその名残が残っちゃってるとは思うんですけど……。

三人称に慣れてきたというより、自分なりの三人称の書き方ができてきたので、初めの頃よりは良くなったかなと……思いたいです(願望)

そして、シャルル作製のオートマタ、ルース君の外見を書いてない事に気づき、慌てて追記してあります(すみません)


残りの章もぼちぼちと直していきたいなーと。

特に第三章。駆け足気味だったので、読み返すのが怖いです(ぇ

話の流れを変えないよう気をつけつつ、綺麗に直していければ良いのですが……。不安だ。


以上の流れから、第五章が終わったら、少し更新をお休みするかもしれません。

改訂が面倒くさくなって、更新に逃げるかもしれませんが(ォィ

たぶん、休みます。プロットも考えなくてはいけませんし。

ですが、おそらく第五章の終わりの流れから、大体の話の展開が読めます。ですから、続きはどうなるかなとかワクワクしないと思いますので(それでいいのかとも思いますが)

どうぞ安心して(?)、お待ち下さいねー!



誤解

「雄太さ、幽霊っていると思う?」

「いるんじゃないんですか? 僕は見たことありませんけど」

「夜な夜な学校を男の人が徘徊してるらしいのよね」

「それって、つまり……」

「そいつはなんと、手に懐中電灯を持ってるのよ」

「警備のおじさんです、それは!」

未来

「十年後、雄太は自分が何してると思う?」

「僕ですか? うーん、普通にサラリーマンしてると思いますけど」

「夢がないわねー」

「余計なお世話ですよ。そう言う先輩はどうなんです?」

「一国の女王」

「それは夢がありすぎです」

麗子ちゃんとお兄ちゃん その6

夜九時を過ぎた頃、ようやくお兄ちゃんが家に帰ってきた。

その様子を言葉で表せば、これで決まりである。『ぐったり』

「お兄ちゃん。大丈夫?」

「あ、ああ……」

見捨てた私に文句を言う気力もないらしく、瞳に力も感じられない。

普段はわりと飄々としているこの人が、ここまで変わってしまうなんて。麗子ちゃんの家で一体何が……?

「何があったの?」

「口に出したくない。ただ言えるのは、あの女は悪魔だって事だけだ」

そう話すお兄ちゃんの身体が、ガタガタと震えていた。ちなみに部屋はわりと暖かい。

「昔働いていた執事に似てるって言って、麗子ちゃん懐かしんでたから。てっきりその人が初恋の人で、お兄ちゃんにその面影が……なんて展開を想像してたんだけど」

「屋敷の金を盗んだ挙句、あの女の小さな頃のオネショの写真を学校にばらまいて姿を消した執事らしいがな」

「あー……」

何となくわかりました、お兄様。

私の予想とは違った修羅場を潜り抜けて来られたのですね。

「ごめんなさい」

とりあえず、謝っておいた。

麗子ちゃんとお兄ちゃん その5

お兄ちゃんが麗子ちゃんに拉致され、警察に連絡しようかどうか迷っていると、一通のメールが。

『警察に知らせたら、命の保証はできませんわ』

うわー、本物の誘拐犯みたいだよ、麗子ちゃん。

洒落になってない。マジで。

しかし通報すれば、余計にややこしい事になるのも目に見えている。

「……よしっ。放っておこう」

頑張れ、お兄ちゃん。私にはそう祈るだけしかできない。うん、たぶん。


しばらくして、お母さんが家に帰ってきた。

「あら? 渚はどこかに出かけたの?」

「友達のところ」

正確には、『私の』友達のところ。

「夕飯はいるって?」

「いらないみたいだよ。いるんだったら、電話があると思う」

あの様子じゃ、すぐに解放してもらえる事もないだろう。

夕飯は麗子ちゃんがきっと豪勢な食事を出してくれるさ。良かったね、お兄ちゃん!

「今日は渚の好きなすき焼きだったのに。タイミングの悪い子ねえ」

「そうだねー」

頭の片隅に抗議しているお兄ちゃんの姿が浮かぶが、私はそれに気づかぬ振りして、適当に相槌を打っていた。

はうー(><)

ごめんなさい。掲示板、使えなくなってました。m(_ _ )m

いろいろ機能増えてたんですねー……。気づかず使用してて、書き込みできないようになってました。

ご指摘頂くまで気づかず……。ダメ管理人です。ほんと、ごめんなさい。

もし書き込みできなかったような方がいたのなら、大変なご迷惑をかけてしまっていましたね。

あああー! 私のバカー!


カウンターはしょっちゅうパンクしてしまいますし、サイトがまともに機能してません。

小説サイトですから、作品を読んで頂ければそれで良いんですけど、それだけだと寂しいですものね。

うーん……。どうするか考えないと。


作品の方は、わりと順調に行ってます。予定通り(?)、ジャンクジャンヌ中心になりましたし。

最初は苦労しましたけど、最近になってようやく少し楽になってきました。ただ単に、文章への注意力が落ちただけかもしれませんが(ぇ

第五章はもうすぐ終わります。次章は、その終わりからの流れを受けての話になりますので。

固定ファンの方も出てきてくださいましたし、励みにして、これからも頑張りますね!

困惑

「昔、サンタに手紙を送った事があるのよね」

「ああ、外国へ送るやつですね。僕も一回だけやった事がありますよ」

「違うわよ。あんな職員みたいなサンタじゃなくて」

「まさか、本物とでも言うんですか?」

「ううん。うちのお父さん宛に」

「……嫌な娘ですね」

「返事には、きっとサンタはパパのお面を被っていたんだろうと」

「おじさん、ものすごく困ってるじゃないですか!」

嫌がらせ

「クラス担任に、最近目をつけられてるのよ」

「先輩の所って、確か日本史の沖本先生でしったっけ」

「そうよ。戦国時代マニアの沖本」

「目をつけられるって、何かしたんですか?」

「家庭訪問のときに、ちょっと……」

「一体何を?」

「たまたま沖本の元恋人が知り合いにいてさ、同席させてみたの」

「目をつけられるに決まってるじゃないですか、それ!」