末吉
初詣に家族で行っておみくじを引いてみると、末吉だったりした。
内容は健康には要注意で、恋愛は我慢が肝心で、学業はまぁまぁ。そしてなぜか金運だけは良くなると書いてあったりする。
占いはけっこう信じるタイプなんだけど、その結果には首を傾げるばかり。
ところがその金運の部分だけは、後日あっさりと判明していた。
「あけましておめでとうございます、那美」
冬休みも開け、再会した麗子ちゃんは、やっぱり前と変わらず変なオーラを漂わせている。
失礼だとは思うけど、事実なんだから仕方ない。だって、変なものは変なんだもん。
「ところで、これを弟から預かってきたのですけど」
「……ロイス君から?」
麗子ちゃんが差し出してきたのは、何やらずっしりと重たい封筒。
ドラマとかじゃ、この中からお札の束なんかが出てきたりするんだけど、まさかね……って、
「まんま札束じゃん!」
開けてびっくり、見てびっくり。たぶん百万以上あるよ、これ。
な、な、な……。どういう事か、さっぱり理解できないんですけど。
「ロイス君、何を考えてるんだろ」
「そういえば、那美もハーレムに加えたいって以前言っていたような……」
「まだそんな野望もってたの!?」
麗子ちゃん以上にやばいよ、あの子。
というか、他人事だと思ってたのに、なぜに私?
確かに将来有望なロイス君ではあるけど、小学生の男の子に買われようとしてる私って……。
全然喜べない。末吉って意味も納得かも、これなら……。