裕福VS貧乏 第二戦
菅原君との話し合いの末、麗子ちゃんに事情を話してみればどうだろうという話になった。
それで、いきなり話すのもなんだから、私からそっと探りを入れてみることになったんだけど……。
「麗子ちゃんさ。この前私の家を見て、お金を援助しましょうかって言ってたじゃない?」
「ええ、言いましたけど」
「つまり、困ってるならお金を援助してくれるんだよね?」
「……那美はそれほど困っていないと自分で仰っていたではありません?」
「そうなんだけど。ほら、たとえば私以外で困っている人がいたとしてさ」
「見も知らぬ方にお金を渡せませんわ」
それはそうだろう。私もそう思うよ。
良かった。麗子ちゃんも、そういうまともな考えが……って、この場合はそれで良くないってば!
「友達だったら?」
「その方が女性でしたら構いませんが、男性でしたら駄目です」
……よりにもよって、どうしてそんな条件が。
「どうして?」
「お父様から、男性にお金を払わせるのは良いが、自分が奢るのはご法度だと昔から言い聞かされておりますゆえ」
「そ、そうなんだ……」
ご法度って……。大げさな表現なんだけど、たぶんその言葉のままなんだろう。
菅原君。悪いけど、もう無理だよ……。