お兄ちゃん
古本君の好みは、私みたいな子らしい。
麗子ちゃんはそれを地味と受け取ったわけだけど、実際はどうなのだろうか。
気になってしまうが、本人に聞くわけにもいかず、参考までにお兄ちゃんに聞いてみる事にした。
「那美のイメージ……? うーんと、メイドかな」
そう来たか。
というか、二年にまでその噂は伝わってたのね……。
「そうじゃなくて。ほら、性格的な部分とか」
「性格的な部分? よくわかんねえけど、別に普通なんじゃないか?」
「普通……ね」
それが地味って事なのかなぁ……。ちょっとショック。
「普段はあまり目立たないし、顔も普通だし」
「余計な事は言わないで」
へーへー、どうせ普通な顔ですよ。
麗子ちゃんのように美人だったら、今まで彼氏の一人ぐらいできてるさ。
「とりあえず、あまり可愛い妹とは言えない」
「そんな言い方しなくてもいいでしょ!」
自分はもてるからって、嫌な人だ。
尋ねる相手を間違えたよ、ほんと……。